機械駆動や精密加工の発熱現象を高速度温度イメージングで解明

高速度サーモグラフィ、高感度化アルゴリズム、冷却センサー、独自システム

温度計測は、様々な現象における発熱状況を把握したり、温度とその他の現象との関係性を把握するためなど、多くの解析に欠かせないものです。

温度計測には様々な手法がありますが、直接測定物に熱電対などを接触させて計測する手法と、非接触で光学的に赤外線カメラで熱放射を計測する手法に大別されます。

後者は測定対象の温度の面分布を計測できる強みもありますが、従来の赤外線カメラでは、熱による電子の不規則な振動によって発生する熱ノイズの影響が強く、精度や高速性が得られにくいことが課題です。また、正確な温度計測には、測定対象の放射率を反映させた正しい校正が必要など、赤外線カメラ自体や計測方法の正しい管理やノウハウが必要です。そのため、これらを簡略化させた評価では、R&Dや生産管理に必要な精度を得ることが困難でした。

CFRP(炭素繊維強化プラスチック)の引張試験時の温度評価例

しかし、当社で扱う冷却式の赤外線ハイスピードカメラでは、イメージセンサーを-190℃に冷却することで、熱ノイズが極限まで低減され、これまで熱ノイズの影響により実現が困難であった高精度、高速な熱イメージング計測が可能になりました。

これにより、高速な現象、例えば引張試験で破断する瞬間の温度上昇やレーザー加工中の被加工物の温度上昇、高速移動体の温度測定などを正確に行うことができます。また、極わずかな温度変化を高精度に検出することにより、例えば半導体チップの動作中の温度上昇や昇温中の液体の温度ムラなどの評価も可能に。更に、豊富な評価実績のある当社は、有効な温度計測が可能になる評価方法の提案や、実機を用いたデモ測定や有償測定なども実現することが可能です。

これまで非冷却のサーモグラフィーで実現できなかった、高精度・高速な温度分布評価を実現できる冷却式赤外線カメラ、ぜひご検討ください。

参考動画

上の動画は、60℃のお湯につけたゴルフボールをバウンドさせて動画撮影した様子です。左が冷却式赤外線カメラの撮影データ、右が従来のサーモグラフィーの撮影データです。

一時停止してみると、冷却式赤外線カメラの映像では、被写体のブレが起こらず、ボールが止まっている様子を捉えたかのように撮影できていることが分かります。また、動いている間の温度値も一定になっています。

一方、従来のサーモグラフィで撮影した映像には、輝度のスポット光が映りこんだ際、そこを中心に現れる明るい帯状の線のスミアが発生しています。また、動いている間の温度値に大きな変動が生じており、正しい温度値が計測できていないことが分かります。

このことから、動く対象物の温度計測において、冷却式赤外線カメラが従来のサーモグラフィより大きく優れていることは明らかです。

このように、「急峻な温度変化が起こる現象」や「動く対象物」の温度計測を行う際には、R&D用赤外線ハイスピードカメラが必須となります。

 

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