事例 | 2021/3/25

自動車の軽量化のために樹脂(プラスチック)製部品の採用が増加

燃費向上や自動運転のために、自動車の電動化が急速に進んでいます。

それと共に、電動化によるバッテリーなどの車重増を補うための、部品の軽量化技術が重要となっています。

そして、軽量化の手段として部品の樹脂(プラスチック)化が多く用いられています。

自動車用の樹脂製部品はパワートレイン部品および内装部品として使用されていますが

今回は樹脂成形部品の中でも、透明な樹脂成形部品の製造や品質管理に

歪み測定データを有効活用する方法をご紹介します。

樹脂製射出成形品の歪み測定の目的

樹脂製射出成形品の歪みを測定することで、以下のことに活用できます。

①レンズなどの光学特性(視認性、結像特性など)の向上

②割れ、変形を抑制する成形条件確立の指標として使用

③アニール(熱処理)条件の最適化や管理に使用

今回、歪みデータ測定に使用する装置は樹脂成形品の測定に適した

2次元複屈折評価システムWPA-200シリーズです。

3つの波長で測定対象の位相差を測定し、歪みを見える化、定量化をすることができる装置です。

樹脂製射出成形品の測定事例①

  • 測定サンプル 樹脂製レンズ
  • 測定装置   WPA-200

自動車には様々な目的でカメラが搭載され、レンズが内蔵されています。

レンズはガラス製と樹脂製がありますが、今回は歪みが大きい樹脂製レンズの測定事例をご紹介します。

こちらはWPA-200の樹脂製レンズの輝度画像です。

このレンズを成形条件を変えて成形し、位相差を測定した画像が下記の2つ画像です。

成形条件①             成形条件②

レンズの有効径を赤円とし、その内部の平均位相差を測定しました。

成形条件① 50.3nm

成形条件② 29.3nm

この値は位相差、つまり複屈折の大きさを表しており、値が大きいほど歪みが大きく

光学特性(視認性、結像特性など)に影響を及ぼします。

この2つの画像を比べた場合、成形条件①はゲート近傍の歪みがレンズの有効径に影響しています。

対して、成形条件②は成形条件を改善したことで、ゲート近傍の歪みが低減し、位相差の値も低く抑えることが出来ています。

また、当社専用解析ソフトを用いることで、このような測定した位相差データの解析を行ったり、

CSVをエクスポートしてExcelでの分析やグラフ化に使用することも可能です。

付属の専用解析ソフト「PA/WPA View」の解析画面

専用解析ソフト「PA/WPA View」につきましてはこちらをご覧ください。

このように当社装置と専用解析ソフト「PA/WPA View」で歪みの大きさや発生部分を解析することで

最適な成形条件を導き出すことが出来ます。

樹脂製射出成形品の測定事例②

  • 測定サンプル 2色の樹脂成形品
  • 測定装置   WPA-200-XL(赤色樹脂のため632nm波長(オプション)を使用)

次に赤色樹脂の中に透明樹脂が組み込まれた成形品の事例をご紹介します。

先ほど同様、対象サンプルの位相差を測定することで、歪みや応力分布を評価することができます。

今回は透明樹脂を赤色樹脂に組み込んだ際に、成形・接着・組み込みの影響がデータにどのように反映されるかご確認ください。

成形条件①                            成形条件②

成形条件①の測定データは、赤色樹脂に透明樹脂を組み込んだ周辺に大きな歪みが発生しています。

成形条件①の結果を基に条件を改善した成形条件②の測定データでは、

全体的に位相差値が小さくなり、明らかに歪みが低減していることが確認できます。

このように歪みを低減する成形条件を導きだすことで、成形品の割れ、変形を抑制することが可能になります。

樹脂製射出成形品の測定事例③

  • 測定サンプル 他の部品と接合させた樹脂成形品
  • 測定装置   WPA-200-L

最後に他の部品と接合させた樹脂成形品の、アニール効果の評価事例をご紹介します。

樹脂成形品の残留応力を除去するためにアニール処理を施す場合がありますが

位相差を測定することで、最適な処理温度や時間の評価を効率的に行うことが出来ます。

輝度画像

下記の位相差データを比べると、アニール処理後の測定データでは位相差が小さくなっており、

その効果を測定データからはっきりと確認することができます。

アニール処理前               アニール処理後

また、専用ソフトでデータの解析を行ったり確認、エクセルでグラフ化して独自の指標で評価することも可能です。

画像上の白点線部分の位相差              画像上の白点線部分の最大位相差

アニール処理の結果を位相差で定量的に評価することで

処理の温度や時間の効果を予測してを設定することが可能になります。

まとめ

樹脂成形品の製造時に歪みや残留応力が及ぼす様々な影響を

位相差を測定することで定量的に評価する事例を車載部品を中心にご紹介しました。

車載部品の歪み検査でお困りでしたら、是非一度当社の装置で課題解決できるか是非ご検討ください。

また、今回ご紹介した樹脂成形品以外にLiDAR関連の部品の評価も可能です。

こちらの記事をご覧ください。

論より証拠。Webデモでその結果を体感できます。

複屈折、偏光、位相差に関する当社の技術や、装置の原理の理解をご理解いただきたいのはもちろんですが

まずはその性能を体感していただく方が早いかもしれません。

当社ではWebを使った遠隔デモで装置、ソフトのご紹介の仕組みを準備しています。

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